メンテナンスいろいろ
友人よりいろいろとメンテナンス依頼を受けました。
【LINN LP12 一式】
これはLP12のメカニクス以外はほとんどnaim製品という珍品。
arm: naim ARO
phono-eq: naim PREFIX
power supply: naim ARMAGEDDON
ほぼこの構成ですね。カートリッジはダイナベクターですが。
AROはユニピボット型のフォノアームです。取り付けはアームボードに装着したアームベースから出ている棒に本体を乗っけるだけ。アームベースの少し手前にアーム内部配線を接続するためのコネクタがあります。シェル部分の指かけは無いし、アームを置いておく場所はただの棒だしで正直めっちゃ使いづらい。
PREFIXは、LP12のキャビネット裏側に装着する内蔵型のMCフォノイコライザーアンプです。LINNでいうところのURIKAですが、発売はPREFIXのほうがずっと前です。URIKAに電源ユニットのRADIKALが必要なように、PREFIXにも別に電源ユニットが必要となります。naimはLINN以上に別筐体電源にこだわる会社ですので新旧いろいろなモデルが使用可能なんですが、このセットにはSNAPSがくっついてきてました。
ARMAGEDDONは、ぶっちゃけるとLP12のACモーターを駆動するための電圧を2次側に出すトランスをガワの中に突っ込んだだけのものです。1次側はコンセントからの供給電圧ですね。一昔前のREGAとかも同じモーターを使っていたので同様に使用可能です。別の友人がその組み合わせで使用しています。
今回の症状は片chの音が出ないとのこと。訪問したときは設置場所を変えただけで両chの音が出たので、信号経路のどこかで接触不良だなと。LP12のアームボードも後方が下がり気味で要サスペンション調整だったので、合わせて調整すべく引き上げてきたのでした。
結局、SNAPSへ接続していたラインレベル信号出力用のDIN→RCAケーブルのDIN側で-極の処理が適当で、シールドからちょろりとひげが出ていてLchの+極と接触していただけでした。末端保護用の熱収縮チューブを剥かなければわからなかった。一旦ちょん切ってから作り直しで動作OK。
あとはサスペンション調整をやり直して作業完了!
【naim NAP250 2台】
naim創業時から存在していて、モデルチェンジを繰り返しながらいまだにラインナップに乗っているというおそろしいパワーアンプです。クラス的にはLINNでいうところのKLOUTですね。音もおんなじだという人も多数いるそうで。
これは動作に問題はなく、リキャップ依頼です。naimでは長期使用に伴って経年劣化を起こしかけているような各種コンデンサを交換することで、リリース当時の本来の初期の性能に近づける、という作業をリキャップと称して公式なサポートメニューとして行っています。しかしまあ、いろいろあって現状日本ではnaimの正規代理店はありません。正規の作業を依頼したければUKのnaim本社と直接交渉を行うしか無いんですね。
まあ、私はこれまでに数台やってますのでこれも請け負った次第です。
これが内部の様子。
2台のシリアルは少し離れているので、基板上のコンデンサの数も少しだけ違います。先程部材の注文を終えましたが、タンタルコンデンサは高いし注文時の最低の入数も多いしでなかなか大変です。なお、同種同サイズのものの入手が困難なのでトランス横のブロックコンデンサはそのままです。パワートランジスタの放熱用グリスは熱で劣化してボロボロになっているので、除去してから再装着時に新しく塗布を行います。パーツが来週中に揃うかなあ。
そういうわけでnaim製品のリキャップ依頼も受け付けます。製品にもよりますが1台で4~5万程度でしょうか。仔細は問い合わせフォームよりお願いいたします。いきなり送りつけてくるのは無しでお願いいたします。
なお、長期安定性を求めれば日本製のパーツを使用するのが鉄則なのですが、naimに関してはできるかぎりUK/USのパーツを調達するようにしています。音のためですね。
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