スタイラスト解放
昨日、注文していただいてたオーディオラボのパワーアンプを納品に行ってきました。
ちっちぇーなあ。
出力はBTLで100W x2程度に仕上げたとのこと。筐体中央に電源入力があって、電源基板含めて左右独立構成です。スイッチング電源+パワーICですね。徹底的な改良&シンプル化が行われています。主要な内部配線は全てラボオリジナルの4N銀単線を使用しています。価格は40万+税。
今までは某ドイツ製のモノブロック真空管パワーアンプが2台載っていた板なので、どうにもスカスカです。接続されているSPケーブルは古のマークボーランド、故朝沼さんが使っていたそのものです。これ、バイワイヤリングではなくて、+-で別れてます。ぶっといですがしなやかなので、取り回しはしやすいです。ただ、質量はそこそこありますので、端子に対しての負荷が心配になりますね。
前段はアナログがLP12(keel/カルーセル軸受/radikal/ekos/EMT HSD-6)、ファイル再生はUSB DACがnuprimeのなんか。プリはMLAS LNP-2Lです。
設置する前に現状を聴かせてもらったのですが、低域の制御に難ありで部屋の狭さも相まっていつまでも音が滞留しているため、サウンドステージの見通しがよくない。矢野顕子のジャパニーズガール、初期盤A面をアナログで聴くと、リトルフィートによるバッキング演奏、グルーヴが渦を巻いてひたすら前に押し寄せてくる感がまさにカオス。それはそれでハマっているんですが終始これではリラックスできないよなあ、という感じ。
一通り聴かせていただいた後に、ラボアンプを適当な板に載せて設置、接続。音出しは問題無し。
最初に聴いた中島美嘉の"雪の華"を再度ファイル再生にて。先程は中高域と低域の間に谷間があったのがスムーズにつながりました。ちゃんと目の前で、そこで歌ってる。ファイル再生とアナログ再生に余りに差がありすぎて、こりゃ相当のテコ入れしないとファイルのほうは聴けないんじゃないかと思っていたのが、特に気にならなくなりました。何聴いてもok。
アナログに切り替えて何枚か聴いていくうちにアンプも暖まり、スタイラストもそれを受け入れてどんどん調子が上がっていきます。制御しきれていない低域に悩まされる事もなく、どこにもひっかかるところもなく、ひたすらスムーズ。まあ、最初っから前のアンプとは提示される世界が全く違っていたのですが、極め付けがXTCのAPPLE VENUS vol.1。
数年前にアンディが自前で再発した盤ではなく、発売当初にリリースされていた盤。初めて見ました。ジャケの印刷がメッチャゴージャス。インクがキラキラと盛り上がってるんだもの。
A面1曲目の"RIVER OF ORCHID"、水面に水滴が落ちる音から始まって次第に楽音やボーカルが重なっていきウォールオブサウンド的な展開を見せていくのですが、これがほんとに水平垂直奥行きの三次元的に個々の音像が配置されてて座標で表示できるんじゃないか、てなくらい。それでいて見えるだけじゃなくてそこで演奏している、歌っている、という存在感がハンパない。何をやっているかが全てわかる上で、そこにいるよ、みんな。
本気を漸く見せてくれたんだねえ、スタイラスト。この場に立ち会えて良かったとほんと思いました。
一通り聴いてから、もういいよねとの言がありでかいアンプには退場いただいて、主役を真ん中に設置しました。
帰宅後メールがあり、スタイラストを聴いてて初めてうたた寝してしまったとのこと。
よきかな。
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